木のおもちゃで育む、子どもの感性と森を思う心

2026.04.06 東京おもちゃ美術館

東京・四谷にある東京おもちゃ美術館では、「木育(もくいく)」の考え方を大切にした取り組みが日々行われています。館内で来館者を迎え、人とおもちゃをつないでいるのは、約300人のおもちゃ学芸員と呼ばれるボランティアスタッフです。0歳から99歳まで、多世代の来館者に寄り添いながら、おもちゃの魅力や遊びの楽しさを伝える存在として活躍しています。


(おもちゃ学芸員と来館者)


① 木にふれ、五感で育つ「木育」の空間


館内に一歩足を踏み入れると、木のぬくもりに包まれた空間が広がります。内装には国産の木材がふんだんに使用されており、日本の森林資源を身近に感じられる工夫が施されています。また、館内のおもちゃは国産の木製玩具を出来るだけ多く取り入れています。子どもたちは遊びの中で自然と木に触れ、その手ざわりや香り、音、重さといった五感を通して、木という素材の豊かさを体感していきます。





② 遊びを生み出す“人”がつくる価値


どんなに良いおもちゃも、ただ置いてあるだけでは何の意味もありません。そこに人が関わり、一緒に遊ぶ”伝え手”がいるからこそ、コミュニケーションが生まれ、体験はより豊かなものとして記憶に刻まれます。おもちゃ学芸員は、まさにその役割を担う存在です。幼い頃から木に親しむことで、自然への関心や愛着が育まれ、環境への意識にもつながっていきます。木育は、未来の社会を担う子どもたちにとって、持続可能な社会を考えるきっかけの一つでもあるのです。


③ 楽しさがやりがいに変わるボランティア


さらに、東京おもちゃ美術館の活動の特徴は、「楽しむこと」がそのまま社会貢献につながる点にあります。地域材の活用は林業や地域経済の活性化に寄与し、木製玩具の普及は日本のものづくりの支援にもつながります。また、館内で生まれる人と人との関わりは、世代を超えたコミュニケーションを促し、現代の日本で失われつつあるあたたかな社会の土壌を育てています。


おもちゃ学芸員として活動する人々にとっても、この場は大きな学びと喜びの機会となっています。「とにかく子どもが大好き」「ここに来ると元気をもらえる」といった声も多く寄せられています。中には10年以上継続して活動している方や、新幹線で毎月通っている方もいるほどです。来館者とのふれあいを通して、新たな気づきやつながりが生まれ、自身の暮らしや価値観にも豊かさが広がっていきます。「誰かの笑顔を生み出すこと」が、自分自身の喜びにもなる——そんな循環が、この場所にはあります。


現在、この取り組みは東京だけでなく全国へと広がり、姉妹館を含めて15館が展開されています。それぞれの地域の特色を生かしながら、木と遊びを通じてつながる場が各地で育まれています。


森林や緑に関心のある方、子どもや遊びに関わる活動に興味のある方、そして人と関わることが好きな方、おもちゃ学芸員として私たちと一緒に活動しませんか。この輪に加わることで、楽しみながら社会とつながる一歩が始まります。







東京おもちゃ美術館 おもちゃ学芸員について
https://art-play.or.jp/ttm/support/volunteer/

全国の姉妹館にておもちゃ学芸員をご希望の方は、各姉妹館に直接お問合せ下さい。

https://art-play.or.jp/area/




東京おもちゃ美術館/認定NPO法人芸術と遊び創造協会