「将来は、こんなところで働きたい」 こどもたちの世界をひらく「体験」という支援
2026.06.09 フローレンス

フローレンスでは、病児保育や相談支援、食料・日用品支援などを通して、ひとり親家庭が抱えるさまざまな困りごとに向き合ってきました。
これまで3回にわたりお届けしてきたように、
生活を支えること。
孤立を防ぐこと。
安心して「助けて」と言える場所をつくること。
それらは、どれも大切な支援です。
一方で、これらの「今」を支える支援の先には、もう一つ大切な視点があります。
それは、こどもたちが新しい世界に出会うこと。
「やってみたい」を見つけること。
そして、自分の未来を思い描くきっかけを持つことです。
今回ご紹介するのは、フローレンスの「こども冒険バンク」に参加したご家庭のエピソードです。
※本記事は、体験に参加された方の感想をもとに再構成しています。
「休みの日くらいは連れて行ってあげたい」その思いがあっても動けなかった
山下さん(仮名)は、二人のお子さんを育てながら仕事と子育てを両立しています。
数年前、二人目のお子さんの育休中にパートナーを亡くし、その後はフローレンスの病児保育「寄付によるひとり親支援プラン」を利用しながら、仕事と子育てを続けてきました。
5歳になる長女は、甘えたい盛り。
それでも「わたしはお姉ちゃんだから」と妹のお世話を手伝い、家事も進んで引き受けてくれることが増えていったといいます。
休みの日にはどこかへ連れて行ってあげたい。
そう思いながらも、幼い下のお子さんを連れて安全に出かけられる場所を探し、予約し、準備をする。
そのための気力が、平日の忙しさの中ではなかなか残りませんでした。
お友達が習い事をしている話を聞いては、
「うちも何かさせてあげた方がいいのだろうか」
と考えることもあったそうです。
そんなときに届いたのが、「こども冒険バンク」の案内でした。
「スタッフがいるなら参加できるかもしれない」
LINEで届いた体験メニューには、動物園や遊園地、会社見学など、さまざまな“冒険”が並んでいました。
山下さんが選んだのは、企業の工場見学です。
「スタッフの方がいてくれるなら、一人でも参加できるかもしれない」
そう思い、申し込みを決めました。
親一人の手では難しい外出も、スタッフがいるという安心感が、山下さんの一歩を後押ししました。
当日、お姉ちゃんは会場に着くとすぐに展示室へ向かい、工場内の大きな機械を夢中で見つめていたそうです。
スタッフの方と話しながら歩き回る姿を見て、山下さんはこう感じたといいます。
「たくさん我慢してくれていたのかもしれない」
同時に、
「今日は来てよかった」
という思いも込み上げてきました。
楽しそうなわが子の姿を後ろから見守る中で、山下さん自身の張り詰めていた心も、少しずつ緩んでいくのを感じたそうです。

体験が届けるのは、その日一日の思い出だけではない
帰り道、お姉ちゃんはふと、こんな言葉を口にしました。
「将来は、こんなところで働きたいな」
山下さんは、その言葉を聞いて気づいたといいます。
体験が届けるのは、その日一日の楽しい思い出だけではないのだ、と。
知らなかった世界に出会うこと。
新しい仕事や場所を知ること。
そして、「自分もやってみたい」と思えること。
そうした出会いは、やがてこどもたちの未来の選択肢につながっていきます。
家庭の状況や経済的な事情によって、こどもたちがさまざまな体験に出会う機会をつくることが難しい場合もあります。
だからこそフローレンスでは、「こども冒険バンク」を通して、こどもたちの“やってみたい”につながる体験を届けています。
「行ってみる」「やってみる」が難しいこともある
体験に参加したご家庭からは、こんな声も届いています。
息子は夏休みですが、親は仕事です。昼間はずっと学童で、ほかの同級生と同じような楽しい夏休みを過ごさせてあげられていませんでした。金銭的にも余裕がなく、息子には「夏休みなのに毎日学童でつまらなくて本当に嫌だ」と言われていたので、今回このような体験ができたことを本当に嬉しく思います。
母子家庭になってから収入面の不安もあり、こどもとの娯楽は後回しになっていました。出かける機会もほとんどありませんでした。こうした体験の機会をいただけたことに心から感謝しています。
今日を支えるだけでなく、未来もひらいていく
病児保育で生活を支える。
相談支援で孤立を防ぐ。
食料や日用品支援でつながりを届ける。
そして、体験を通して未来への一歩をつくる。
今回ご紹介した体験機会の提供も、皆さんからのご寄付によって支えられています。
東京マラソン2027チャリティを通じて、ランナーの皆さんが一歩一歩走ってくださること、そして寄付者の皆さんが想いを託してくださることが、こどもたちの「知らなかった世界」との出会いや、未来への夢に変わります。
生活を支えるだけでなく、こどもたちの「これから」にも寄り添う支援を、フローレンスはこれからも届けていきます。
皆さんの応援が、親子の明日を、そしてこどもたちの未来をひらく一歩につながっています。
認定NPO法人フローレンスは、東京マラソン財団チャリティ RUN with HEARTの寄付先団体です。
皆さんから支援いただく寄付金は、多くの親子に笑顔を届けていくために大切に使わせていただきます。フローレンスのチャリティランナーをぜひご検討ください!その他の詳細は大会要項発表(6月下旬予定)をお待ちください。
募集開始時には改めてフローレンスNewsや公式SNSにてお知らせします。ぜひSNSをフォローしてお待ちください!
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