【ピースワンコ活動報告】「受刑者が保護犬を育てる」全国初の試みが照らし始めた未来

2026.01.26 ピースウィンズ・ジャパン

こんにちは!
東京マラソン2026チャリティ寄付先団体の認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンです。
東京マラソン2026チャリティを通じてあたたかいご支援を賜り、誠にありがとうございます。

私たちは日本の犬の殺処分ゼロを目標に、保護・譲渡活動を行う「ピースワンコ・ジャパン プロジェクト」を運営しています。

私たちが保護している犬の大半は、野犬や捨て犬です。野犬は怖がりな子が多く、人に馴れない・人を咬むなどといった偏見から、全国的に殺処分されています。
また、人に捨てられた犬たちは、心にトラウマを抱えていることが多く、野犬と同様に人を警戒したり怯えたりする子もいます。そんな怖がりな保護犬たちを譲渡に繋げるためには、人馴れトレーニングを通して社会化を進めていくことが欠かせません。


――犬を救うことは、人を救うこと

ピースワンコが法務省矯正局と連携して開始した、全国初の取り組みとなる刑務所での「保護犬育成プログラム」が、まもなく始動から1年を迎えます。
「保護犬が新しい家族のもとで生きられるように、受刑者が訓練を行う」という目標を目指して本プログラムに参加したのは、怖がりな元野犬の保護犬「パクス」。およそ1年にわたって尾道刑務支所で訓練を受けた「パクス」は、10月に譲渡が決まり、本プログラムの目標を達成することができました。

1年前、本プログラムの最初の参加犬として選ばれたのは、元野犬の「パクス」と「ロバート」でした。茶色い毛並みの「ロバート」が人懐こい一方、黒毛で少したれた耳が特徴の「パクス」は知らない人の前では怯えてしまう怖がりなワンコ。初めて尾道刑務支所を訪れた際には、知らない人が大勢いる知らない環境に怯えてクレートの中から出て来られませんでした。

毎月刑務所を訪れるうちに、「パクス」は受刑者にリードを引かれてお散歩ができるようになっていきました。そして半年後には受刑者と一緒のお泊まりトレーニングも成功!「パクス」と受刑者の距離がどんどん近くなり、怖がりだった「パクス」の人馴れトレーニングも進んでいきました。

「パクス」が人と信頼関係を築けるようになったということは、プログラムからの卒業が近いことを意味します。2025年10月、とうとう「パクス」は卒業の日を迎えました。「パクス」の最後のトレーニングの日、刑務所内に関係者が集まり、「お別れの会」が開かれました。「パクス」のトレーニングを担当していた受刑者は、別れ際に

『俺のことは忘れていいから、新しい家族を好きになって、幸せになれよ』

と「パクス」に声をかけました。

本プログラムに参加した受刑者は「自分がちょっと人間に戻れた気がした」と語ります。「パクス」と同じように自分も成長したいという気持ちが芽生え、目標を持てるようになったそうです。
「パクス」の卒業にともない、次回から新たなワンコが2頭、尾道でのプログラムに加わります。2頭とも「パクス」に負けず劣らず怖がりなワンコです。果たして、受刑者と信頼関係を築くことができるのかーー、新たなチャレンジは、すでに始まっています。

全国の「殺処分ゼロ」を目指し、一頭でも多くのワンコの命を救って幸せにすると同時に、人を救うことにも繋がっていくピースワンコの活動を、これからも見守っていただけますと幸いです。