【フローレンス 未来をつくる現場から Vol. 2】孤立した妊婦とその赤ちゃんを支援する「無料産院」が和歌山に拡大
2025.07.24 フローレンス
こんにちは。
この春、認定NPO法人フローレンスに第2新卒で入社したみっこーです。
(フローレンスではニックネームで呼び合う文化があり、今回の記事もニックネームで自己紹介しています)
わたしは、大学生の頃に受講した授業をきっかけに、生後間もない赤ちゃんが遺棄や虐待によって命を落としている現実を知り、強い課題意識を持つようになりました。
赤ちゃんの遺棄・虐待事件の背景には、予期せぬ妊娠や、経済的・精神的な不安から医療機関を受診できないまま出産に至るなど、社会的に孤立している妊婦が支援を受けられていないことが要因と考えられます。
わたし自身、学生時代に予期せぬ妊娠と出産を経験している1児の母です。親になるための準備が整っていない状態での妊娠・出産は、経済的にも精神的にも周囲の支援が必要不可欠であることを自身の経験からも強く感じています。
当時のわたしは、「生みたいけどちゃんと育てられるのだろうか」「これから自分の人生はどうなってしまうのだろうか」と毎日不安に駆られていました。
自分と同じように予期せぬ妊娠によって不安を抱えている妊婦さんたちの力になりたい。1人でも多くの赤ちゃんを救いたい。支援を必要としている人に支援が届く社会をつくりたい!という想いから、フローレンスへの入社を決めました。
今回は、社会的に孤立している妊婦さんとその赤ちゃんの命を守るために、フローレンスが取り組んでいる「無料産院」の取り組みについてご紹介します。わたしがフローレンスに入社を決めたきっかけの1つでもあるこの取り組みを、より多くの方に知っていただけると嬉しいです。
予期せぬ妊娠に直面し、誰にも頼れず孤立してしまった妊婦が、病院に行けないまま出産を迎え、結果として赤ちゃんを遺棄してしまう
――こうした悲劇は後を絶ちません。
日本では、2週間に1人の赤ちゃんが虐待によって命を落としています。
フローレンスは、「生まれたばかりの赤ちゃんが遺棄される悲しい事件をなくしたい」という想いから、2016年に「赤ちゃん縁組事業」を立ち上げ、「にんしん相談」と「特別養子縁組」に取り組んできました。
「にんしん相談」とは、予期せぬ妊娠に悩む女性が、LINEで無料で妊娠について相談できるサービスです。
サービスを運営する中で、お腹が大きくなっても誰にも相談できず、経済的に困窮し、ひとり孤独に出産の日を迎えてしまう女性たちがいるという課題が見えてきました。
この課題を解決するため、社会的に孤立している妊婦さんとその赤ちゃんを支援する「無料産院」事業が2023年6月にスタートしました。
「無料産院」事業では、受診や出産の費用をフローレンスが代わりに支払い、病院に行きやすくすることで、お母さんとお腹の赤ちゃんが危険な状態で出産に至ることを防ぎます。
また、受診をきっかけに行政の支援につなげることで、赤ちゃんの遺棄も防止します。
フローレンスの「無料産院」は、2025年3月までに19人の妊婦を支援し、19人の赤ちゃんの命を守ることができました。
今年の4月には、「無料産院」の提携病院に和歌山県の「はまだ産婦人科」も加わり、提携病院は4院となりました。
今後も同じ志を持つ医療機関との提携を全国に広げ、社会的に孤立した妊婦が1人でも多く、適切な医療を受けられる環境を整えていきます。
また、健診・出産にかかる経済的負担の軽減を国や自治体に対して継続的に働きかけ、社会全体で命を守る体制の構築を目指していきます。
すべての赤ちゃんが安全に生まれ、健やかに育つ社会を実現するために、フローレンスはこれからも活動を推進していきます。
フローレンスのこうした活動は、皆さんからのご寄付によって支えられています。
いつも応援してくださる寄付者の皆さん、参加・協働してくださっている多くの皆さんに心から御礼申し上げます。
認定NPO法人フローレンスは、東京マラソン2026チャリティの寄付先団体です。
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