【東京マラソン2024チャリティ寄付金報告】ACEが築く、児童労働のない未来
2025.07.01 ACE
東京マラソン2024チャリティにご参加いただいたランナーの皆様、ACEの活動にご支援と温かいご寄付をいただき、誠にありがとうございました。
皆様からお寄せいただいた大切な寄付金は、2023年6月26日から2025年3月31日までの期間において、ガーナとインドにおける児童労働問題の解決と子どもの保護、そして日本国内での子どもの権利普及とウェルビーイング向上といった、持続可能な社会の実現に向けた幅広い取り組みに活用させていただきました。
ACE(エース)は、児童労働の撤廃・予防と子どもの権利保護に取り組むことで、子どもたちの自由と尊厳が輝く、可能性に満ちた世界の実現をめざして活動するNGOです。1997年に日本で設立され、これまでにインドとガーナの30の村で2,645人の子どもを児童労働から救い出し、13,600人の子どもの就学を支援してきました(2023年8月時点)。
東京マラソン2024チャリティによる寄付金は、主に以下の活動に充てられました。
1. ガーナにおける活動:スマイル・ガーナ プロジェクト
ACEがガーナで行っている「スマイル・ガーナ プロジェクト」は、ガーナのアハフォ州とアシャンティ州で2009年から継続しており、子どもたちを児童労働から救い出し、教育を支援するとともに、カカオ農家の生活向上を支援することを目指しています。
児童労働からの保護と就学支援: 地域の住民から構成される「子ども保護委員会(CCPC)」が各家庭を定期的に訪問し、児童労働に従事している子どもや学校に通っていないリスクのある子どもを発見・支援しています。2023年2月から活動を本格始動した第6フェーズでは、この活動により、児童労働に従事していた80人の子どもを特定し、全ての子どもの就学を実現しました。また、児童労働をしていたこれらの子どもとそのリスクのある子ども260人に学用品を提供し、就学を支援しました。
就学率の向上:プロジェクト開始前(2022年1月)に57%〜66%だった対象地域の学校の就学率は、2025年3月時点で平均99%にまで向上しました。学校給食の導入支援も、子どもたちの集中力向上と就学率向上に貢献しています。
カカオ農家の収入向上と女性のエンパワメント: カカオ農家がカカオ以外の収入源も確保できるよう、特に経済的に脆弱な女性を対象に農業ト レーニングを実施しています。ガーナで消費量が増加しているコメの栽培技術研修には、42人の女性カカオ農家が参加し、グループで学びを深めました。これにより、女性の収入が向上し、子どもの教育に良い影響を与えることが期待されています。
ガーナ支援地の学校にて
給食を食べる子どもたち
稲作研修を受けた女性たち
稲の脱穀作業の様子
2. インドにおける活動 :ピース・インドプロジェクト
インドでは、2023年8月まで「ピース・インド プロジェクト」として活動を実施しました。このプロジェクトでは、住民への啓発活動、住民グループの能力強化、家庭訪問や畑の見回り、補習学校の運営、学校環境の改善、職業訓練センターの運営などを行い、住民が自立的に「児童労働のない村」を維持できるよう支援しました。プロジェクトの住民引き渡し後もフォローアップ期間を設け、モニタリングやプロジェクト評価等を実施しました。
「ブリッジスクール」の子どもたち
ミシンに向かって作業をする職業訓練生
住民への「引き渡し式」の様子
3. 日本国内での活動:子どもの権利普及とウェルビーイング向上
東京マラソン2024チャリティによる寄付金は、海外での活動に加え、日本国内での子どもの権利普及とウェルビーイング向上を目指す活動にも充てられています。
具体的には、子どもを対象にした子どもの権利ワークショップの開発と実施、子どもに関わるおとなを対象にした子どもの権利の理解と実践のための研修プログラムの開発と普及、そして沖縄県における子どものウェルビーイング向上を目指す活動などが含まれます。ACEは、国内外の活動を通じて、すべての子どもが自分らしく成長できる社会の実現に取り組んでいます。
子どもたちの未来を変える力は、私たち一人ひとりの中にあります。
このたび、皆さまと想いをひとつにして活動を共にできましたことに、心より感謝申し上げます。
東京マラソンチャリティを通じた温かいご支援は、子どもたちがより良い教育を受け、健やかに成長していくための大きな力となっています。
ACEは今後も、児童労働のない社会の実現に向けて取り組んでまいります。引き続き、ともに“希望”を届けていけますよう、変わらぬご関心とご支援を賜りますようお願い申し上げます。